書評

ルールの統合というアイデアが面白い:『株価指数先物必勝システム』レビュー

 

こんにちは、あやとです。

『株価指数先物必勝システム』という本にあった、ルールの統合というアイデアが面白かったので、紹介します。

著者はアート・コリンズ。『マーケットの魔術師 システムトレーダー編』『マーケットの魔術師 大損失編』の著者でもあります。

 

 

レビューはこちら

 

手法
資金管理
心理

 

資金管理と心理についてはほとんど書かれていません。

様々な手法をただ検証していくというスタイル。

ぼくはこういう本が大好きなんですが、人によって好みが分かれますよね。

 

 

本書では様々なアイデア(類書に比べてかなり多い)を淡々と検証していきます。

なお検証に用いられているソフトはトレードステーションです。

巻末の付録にソースコードがあるので、自分でアイデアを検証するのも簡単です。

 

ご丁寧にソースコードまで載せてくれているのですから、優位性の高いものは掲載していないでしょう。

本当に稼げるシステムは他人に教えず、自分だけでこっそり使いますからね。本書に限った話ではないですが。

 

システムを試行錯誤しながら作っていく、そんな雰囲気をつかめるのがこの手の本の良いところ。

 

ルールの統合というアイデア

 

この本の一番面白かったアイデア、ルールの統合というアイデアをご紹介します。

表紙にも「Combining Small Biases into Powerful Money Making Strategies」、「小さなバイアスを組み合わせて利益を生む強力なストラテジーへ」とあります。

アート・コリンズルールの統合というアイデアを、好んで使っていることがうかがえます。

 

コリンズが使うルールの統合は、「ポイント制」です。

個々のルールが買いシグナルを出したときは+1ポイント、売りシグナルを出したときは-1ポイントです。

そして合計〇〇ポイント以上であれば「買い」といったようにルールを統合します。

 

 

ルールの統合を検証

 

具体的に見ていきます。

第9章「3つのルールの統合」を検証していきます。

 

ルールは↓

1. 終値 が 40 日間 移動平均 よりも 高い( 安い) とき は、 翌日 の 寄り付き で 買い( 売り)、 大引け で 手 仕舞う( 買い シグナル は + 1、 売り シグナル は-1)。
2. 2 日間 移動平均 が 5 日間 移動平均 よりも 安い( 高い) とき は、 翌日 の 寄り付き で 買い( 売り)、 大引け で 手 仕舞う( 同上)。

3. 過去 50 日間 の 終値 の うち、 最高 の 日 が 最 安 の 日 よりも 前 に あれ ば 買い、 後ろ に あれ ば 売り( 同上)。
この 3つ の 合計 値 が プラス の とき は 翌日 の 寄り付き で 買い、 マイナス の とき は 売り、 その 日 の 大引け で 手 仕舞う。

引用元:アート・コリンズ. 株価指数先物必勝システム ──行動ファイナンスと統計学を活用した科学的アプローチ (Kindle の位置No.497-502). パンローリング株式会社. Kindle 版.

 

注意してほしいのは、統合するルールのエントリーの仕方は同じでなければならないということですね。

 

では日経平均株価で3つのルールを個別に使った場合と、統合した場合を比較してみます。

 

 

ここでは筆者が一番重視しているという指標、NP/WDについて比較してみます。

NP/WD = (純利益÷最大ドローダウン)×100 です。

 

日経平均株価で検証

 

過去10年(~2018/12/07)での結果です。

 

1つ目のルール:

2つ目のルール:

3つ目のルール:

 

 

統合したルール:

 

 

 

・・・残念(笑)

大幅に下がってしまいました。

実際のところ、検証なんてこんなもんです。

 

 

ルールの統合というアイデア自体は面白い

 

他の銘柄でも検証してみましたが、すべて残念な結果に。

どうも個別ルール自体に大した優位性がない様子。

ただルールの統合というアイデア自体は面白いです。

 

なぜなら組み合わせ次第でルールが無限に作れるからです。

統合というアイデアで、ルール作りに一気に幅が広がります。

まずまずのルールでも、組み合わせることで使えるルールに変わる可能性が!

想像が膨らみます。

 

デメリット:カーブフィット

 

デメリットはルールを組み合わせるほど、変数が多くなっていきます。

変数2のルールを3つ組み合わせれば、変数6となります。

変数が多いと、カーブフィットの可能性が増してしまいます。

 

変数とカーブフィットの関係については、こちらの記事をお読みください。

 

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適正な最適化のための4つの原則

 

カーブフィットを防ぐための、4つの原則も面白かったです。

4つの原則をぼくなりに言い換えると↓のようになります。

今後のルール作りの指針となりそうです。

  1. 数値のわずかな変化で成績が大きく変わってはいけない
  2. ほかの市場(とくに相関の強い市場)でも機能する
  3. 数回の取引がパフォーマンスに大きな影響を与えてはダメ
  4. 利益を生む要因を理解する

 

 

➃の考え方が今までにはなかったです。

なぜそのルールは機能するのか?

その理由を説明できなければならないということです。

(行動ファイナンスの勉強をしてみようかな・・)

 

①の原則は『タートル流投資の魔術』にも、クリフという考え方で出てきましたね。

こちらの記事もあわせてお読みください。

 

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今回は以上です。

ではまた。

 

https://ayatoyukawa.com/systemtrading/

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