書評

【書評】『予想どおりに不合理』を読んで、行動経済学に興味がわいた

 

読者
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『予想どおりに不合理』って、どこかで聞いたことあるなぁ

湯川あやと
湯川あやと

すごく有名な、「行動経済学」の本だよ!

 

今回は、『予想どおりに不合理』をご紹介。

自分の不合理さに、ドキッとさせられる本でした。

 

行動経済学とは、1言でいえば「心理学 × 経済学」です。

 

【感想】『予想どおりに不合理』

psychologyTumisu / Pixabay

 

こんな人にオススメ

☑︎ 「行動経済学」に興味がある人
☑︎ 人間のことを、よりよく理解したい人
☑︎ 日常生活でも役に立つ、知識がほしい人

 

【行動経済学】の、立ち位置が分かった

筆者は、これまでの経済学を、下のように表現しています。

未検証の心理学という状態

これだけでも、読む価値があったと思います。経済学に感じている違和感を、1言で表してくれました。

大学でミクロ・マクロ経済の基本は、勉強しています。ですが「学んだ知識が、どう行動経済学と繋がるのか」、疑問でした。

 

なぜ「行動 ”経済学” 」なのか。

実はタイトル「予想どおりに」が、その答えです。

 

日々の生活で、役に立つ

大学でミクロ・マクロを学びました。でも「それで生活が変わったか」と言われると、何も変わっていません。

「勉強が足りないからだ」と言われればそうですが。でも基本を勉強して、すぐに役立つモノではないと思います。

 

一方、『予想どおりに不合理』に書かれている実験は、すべて身近な例です。

そのため日々の生活に、直結します

実用性を考えると、僕ら一般人は「行動経済学」の方が、学ぶ価値があると思います。

 

『影響力の武器』とリンクした

『影響力の武器』も、めちゃくちゃ有名な、ロングセラー本です。『予想どおりに不合理』が気になっている人なら、この本に興味がある人も多いはず。

↓ブロガー向けですが、書評を書いています。

【書評】『影響力の武器』の要約と、ブログアフィリエイトへの利用法 『影響力の武器』が神書だったのでご紹介。 「要約」 ⇒ 「ブログ・アフィリエイトへの利用法」 の流れで記事を書いています。 ...

 

セールスに興味がある人は、『影響力の武器』もオススメです。知識がリンクして面白いです。

 

例えば、、(左側が、『影響力の武器』)

「コントラスト効果」 ー 「相対性」

「心理的リアクタンス」 ー 「選択肢」

「権威」 - 「予測の力」

「コミットメントと一貫性」ー「保有効果」

などなど。他にもたくさん、知識が繋がりました

 

2つの本は、視点が違います。

そのため「ハッ・・これは『影響力の武器』でいうと、○○か!!」と、

いい感じに「ハッ」とさせてくれます。

楽しませてもらいました。

 

「お金のために働いてはいけない」

第4章のテーマです。

簡単にいうと、人間は2つのルールを持っています。

1つ目が「社会規範」で、人間関係を支配しているルール。2つ目が「市場規範」で、「お金のやり取り」が行われる市場のルールです。

それを基に、著者は「ビジネスにも「社会規範」を持ち込んだ方が、うまくいくんでないの?」と主張しています。

 

目新しい主張ではありません。

1番有名なのは、メイヨーが行った実験でしょう。この実験は多くの本で、引用されています。

メイヨーは、当時は主流だった「科学的管理法」の効果を確認しようと、様々なテストを行いました。

「科学的管理法」とは、人を「機械の部品」のように扱う組織感です。経営学が発展する前には、主流の考え方でした。(今でも根強く、残っています)

メイヨーは、この「科学的管理法」の効果を証明しようと、工場で働く女性を対象に、テストを行いました。部屋の明るさを変えたり、休憩時間を変えたりして、生産性が上がるかを調べたのです。

ところが不思議なことに、条件による、生産量に違いはありませんでした。それどころか、どちらの条件でも、以前より生産性は上がっていたのです。

メイヨーはその理由を、「心」にあるとしました。女性たちは実験に参加することで、「自分は、社会的に貢献している」という感覚が強くなり、仕事が有意義なものへと変わったのです。その結果、生産性が上がったのです。

その後はホーソン研究を起点にし、組織管理は「人間性」を重視する方向に、転換しました。

 

人はお金のためよりも、情緒的な報酬のために、頑張れるということは、ずっと前から分かっています。

 

「お金のために働いてはならない」ことは、多くのビジネス書でも主張されています。たしかに正しく聞こえます。

少し前に流行った、『モチベーション革命』の中でも、「現代人は、お金のためには頑張れない」ことが強調されていました。

やっぱり「お金のために」働くのは、限界があるんですね。

(『モチベーション革命』も、合わせて読むと面白いですよ)

 

でも皆さん、心の底では、「キレイごとでしょ?」と思っているのではないでしょうか。

 

僕もそうでした。

ですが、『予想どおりに不合理』を読んで、「お金のために働いてはならない」ことが、やっと腑に落ちた気がします。

なぜ納得できたか・・ というと言葉にするのは難しいです。

ただおそらく、『予想どおりに不合理』が、実験の内容が細かく書かれている本だから、だと思います。

「主張」だけでなく、「事実」もしっかり描写されている本です。

妙に納得できます(笑)

 

↓は『予想どおりに不合理』からの、引用です。

結局のところ、人をやる気にさせる方法としては、お金に頼るのがたいていもっとも高くつく。

 

では、お金のために働くのは、全くの間違いなのでしょうか?

そうではありません。

ならば、お金など必要だろうか?もちろん必要だ。だが、生活のなかに、お金がないほうがある意味ではうまくいくという側面はないだろうか。

現代は行き過ぎてるんですね。

お金が普及したのは、人類の長い歴史からいえば、ごく最近のこと。自然なモノではないのです。

「お金のために頑張れない」のは、当然なのでしょう。

 

2つのルールにを、混ぜることはできない。でも使い分けることはできます。

僕は「社会規範」で働きつつ、「マネタイズ化の導線」だけを作っておくのもアリかな、と妄想しています。自分で自分をだます感覚ですね。

皆さんも、色々と考えてみてください。

 

ジェイン ジェイコブズ氏の、『市場の倫理 統治の倫理』も同じテーマ。

『予想どおりに不合理』の第4章にフォーカスした本です。合わせて読むと、面白いかもしれません。

 

【不合理】に立ち向かうには

 

「意志の力」で対応しても、対処は難しいと考えていいでしょう。

対策としては、

  1. その状況に近づかない
  2. いざという時に、合理的な判断を下せるような、【仕組み】を作っておく

この2つしか、考えれません。

 

【仕組み】づくりに関しては、想像力しだいで、色々と思いつきそうです。

↓記事では、第9章「扉を開けておく」について、対策を考えました。

「何をしたらいいかわからない」原因は、選択肢が多すぎること 「何をしたらいいのか分からない」 そんな悩みを抱えている人は、多いと思います。 今回は原因を一緒に考えつつ、最後にオススメの本を...

 

 

湯川あやと
湯川あやと

とはいえ、本を読んで、自覚することが第1歩です!

 

口コミ

↓文庫本にしては、ぶ厚いし、情報量も多いです。

【レビュー】『予想どおりに不合理』

↑画像はAmazonリンクになっています。

総合評価
著者 行動経済の研究者、ダン・アリエリー氏。デューク大学教授。イグ・ノーベル賞を受賞。
本の構成 各章、1つの「不合理」がテーマになっている。各章は、「実験の内容 ⇒ 何が分かったか ⇒ 著者の経験談」って感じ。
レベル感 入門 ~ 初心者
内容 情報量:
質:
テーマの数は多くないが、1つ1つの分量は多い。研究者だけあって、実験の内容に、多くのページ数を割いている。
読みやすさ
分かりやすさ

翻訳本なので、少し読みにくいと感じた。でも読書に慣れている人なら、支障はない。

 

『予想どおりに不合理』の【復習問題】

復習問題mohamed_hassan / Pixabay

 

本を読んだら、↓の復習問題を解いてみてください。

僕が作りました。

分からなかったら、本をパラパラめくりながら、答えを探してください。そうすることで、記憶が定着します。

中には 質問ではなく、ただのチェックリストもあります。

 

⓪はじめに + ⑮章

  • 行動経済学とは何か?
  • 伝統的な経済学と、どう異なるか?
  • なぜ ”予想どおりに” 不合理というタイトルをつけたのか?

 

①章:相対性

  • 「相対性」のポイントは何か?:○○を比べて、○○を無視する。(p36, 「相対性」で選択する より)
  • あなたは「会話上手」だが、「ブサイク」だと仮定する。あなたは友達2人と、合わせて3人で合コンをすることになった。1人のメンバーは決定していて、「イケメン」だが「口下手」な友人である。あと1人、メンバーが足りない。誘うなら、どんな人がいいだろうか?(ヒント:おとり)
  • 「おとり」の効果は、対象が “「おとり」よりも ” 優れているように見せるだけではない。さらに大きな効果がある。

 

②章:需要と供給の誤謬

  • 「需要と供給」モデルの、問題点は何か?:2つ答えよ(p.87) ①買い手の視点 ②売り手の視点
  •   私たちは最初の価格に、それが”○○的”であったとしても、「○○○○○○」してしまう。これは同じカテゴリーの、別の品物にも影響する。
  • スターバックスが成功したわけ(どのようにして、アンカーを移したのか)

 

③章:「無料」

  • 私たちが「無料」に飛びつく理由は、○○にある。
  • ゼロは、イチとは全く異なる
  • 価格の他にも、「無料(ゼロ)」を応用できる。例を思い浮かべよ。

 

④章:人間は、2つのルールを持っている

  • 「市場規範」の特徴は?
  • 「社会規範」の特徴は?
  • 2つを混同すると、どちらが負けるか?
  • 今の世の中は、2つのうち、どちらに傾いているか?
  • 著者ダン・アエリー氏は、どちらを重視してるだろうか? それはなぜか?

 

⑤章:「無料」× 2つのルール

  • 有料 ⇒ 無料 と変わると、ルールはどう変わるか?
  • 2つのルールの、中間に位置する取引を、1つ挙げよ

 

⑥章:性的興奮のあと

  • だれもがジキルとハイド。忘れないように。
  • どのように対策すればよいか? ①興奮する前 ②興奮した後 の対処が考えられる。

 

⑦章:先延ばし・自制心の低さ

  • まず自覚する。その上で、【仕組みを作って】対策する。
  • 2種類の”強化スケジュール” ○○と○○ :中毒の原因
  • 著者はどのように対策していたか?

※対策法としては、↓の本がオススメです。ダン・アリエリー氏が入院中に行った対策に、よく似ています。

 

↓記事でも紹介した本です。

いつまで三日坊主を続けるの?本気で克服したいなら、習慣化の本で継続のコツを学べ 三日坊主を克服したい皆さん、こんにちは。 今回は、「習慣化に役立つ書籍」と、「なぜ本を読む必要があるのか」を、お伝えします。 ...

 

 

⑧章:保有効果

  • 保有効果の背後にある、3つの不合理は?妄想してみよう。
  • どんな条件で、効果が高くなるか?(ヒント:IKEA家具)
  • オークションの参加者は、どのような状態か。「保有効果」を踏まえて考えよ。
  • なぜ「返品無料」にするのか。「保有効果」から考えよ。

 

⑨章:選択の自由

  • 選択肢が失われるとき、大きなリアクタンスを感じる
  • 選択肢を○○することに、熱中してしまう。
  • 選択肢が2つであっても、侮ってはいけない。
  • どう対処したらいいか。

 

⑩章:予測の効果

  • 「予測の効果」とは何か。例:ワイン
  • どう対処するか?妄想してみよう。
  • 『影響力の武器』でいうと、「○○」の源になっている
  • 見た目の大切さ

 

⑪章:価格の力

  • 価格には、どんな効果があっただろうか?
  • 医療にどのような影響を与えているか?

 

⑫章:不信

  • 「共有地の悲劇」とは?
  • なぜ悲劇は起こるのか?:○○と○○の利害が、一致しないから
  • 『オオカミ少年』を思い出そう

 

⑬・⑭章:正直さ

  • 「正直」な人でも、「不正直」になることがある。心せよ。
  • どう対処するか?(ヒント:十戒)
  • 「現金までの距離」は、正直さにどのような影響を与えるか?
  • 最近ニュースで見た不正を、この教訓に当てはめて考えてみよう。

 

内容を忘れてしまった人は、もう1度確認してみてください。

 

ちなみに、↓記事でも『予想どおりに不合理』を紹介しています。第12章「不信の輪」を、参考にしています。

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『予想どおりに不合理』の要約が、本の要約サイト【flier】で読めます(記事公開時点)【flier】も、チェックしてみてください。

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